実践的に「訓練」することの必要

2011.04.06

ロックは、子どもたちに対しては単に言葉のうえで規則や訓戒を提示するだけではなく、常に具体的実例を示して実践的に「訓練」することの必要を繰り返し指摘している。というのも、機会があるごとに何度も反復すること、言い換えれば、実際の経験を重ねることによってこそ、確固とした「習慣」を形成することが可能となるのであり、そうした実践を通じて子どもたちにとって一定の行為があたかも「呼吸のように」自然なものとなれば、その時彼らは、単に―うわべだけ―そのように振る舞うのではなく、既に「心の中から」そのような人になっている、と認められることになるからである。こうした実践に常に寄り添い、これを導くべき教師は、豊かな学識に加え、礼儀作法を心得、訓育の重要性を熟知するとともに、そのための具体的な技術を持った人でなければならない。ロックは良き教師を獲得するための資金を惜しんではならないと忠告している。ロック自らがその教育活動を通じて果たしてどこまでこの理想を実現し得たかは定かではないが、後に著名な道徳哲学者となったシャフツベリー(1671〜1713)もまた教育者としてのロックから直接指導を受けた者の一人であり、ロックの教育論は当時から大きな注目を浴び、仏語・独語等にも翻訳され、後の教育論に大きな影響を与えることになったのは事実である。
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