テレビ研究

2011.05.05

フィスクの議論には二つの異なる方向のアプローチが交錯していることがわかる。彼は一方で、バルトやスクリーン派の理論に基づきながら、テレビ・テクストが視聴者の「主体」や「現実」に対するまなざしを構築していく記号論的な力を内包していると考える。例えば彼は、テレビが「リアル」なのは、それが何らかの外部の「現実」を再現しているからではなく、「現実」に対する支配的な感覚を再生産しているからであると指摘する。問われるべきは、テレビの報道がいかに「現実」をねじ曲げるかということではなく、それがいかなるテクストの実践を通じて「現実らしい」感覚を構築していくのかという言説戦略的なプロセスなのだ。だが、他方で彼は、記号論や精神分析のテクスト分析がある種の「権威主義」を内包していると批判する。それらはあまりにしばしば、分析者がした通りの「読解」を視聴者にもさせる強制力をテクストに帰してきた。これに対し、「われわれが着手する必要があるのは、同一のテクストからさまざまな意味を作り出す視聴者の活動を視野に入れたテクスト理論を構成すること」である。すべての視聴者が送り于がコード化した戦略にしたがっているわけではなく、番組の視聴過程では複数の解釈コードが衝突し、せめぎあっているのだ。こうして彼は、テレビ研究は「テクスト上の選択や閉鎖といった戦略にあまり関心を向けるのではなく、またテクスト構造によって選択された意味を追求するのではなく、読み手の社会的経験から帰結する結果としての意味に、テレビジョンを開放するギャップや空間にこそ分析の眼を向けるべき」だとまで主張していく。東北芸術工科大学の講師を努める小山薫堂さん。自ら経営するオレンジ・アンド・パートナーズがプロデュースした日光金谷ホテルのオレンジスイートにあるシャンプーボトルのデザインがとってもステキ。
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小山薫堂教授のメッセージ