普通の家庭用や事務用コンピューターであれば、プリンタからの出力は紙、いわゆる普通紙だが、印刷の場合はフィルムをプリントアウトする。このフィルムには次頁の写真のように文字が白く抜けている。しかも印刷物は八ページなり十六ページなりを一度に刷るから、このフィルムを手作業で貼り合わせなければならない。これでやっと新聞紙見開き程度に相当する大きさの印刷用原版フィルムができるわけだ。これを実際に印刷機に組みつける刷版というアルミの板に焼きつける。アルミの板には表面に感光剤が塗られており、光の当たった部分にはインキがつき、光が当たらなかった部分にはインキがつかないような性質になっている。このあとこのアルミの板を印刷機の版胴というところに組みつけて、ようやく実際の印刷となる。これを本や雑誌として店頭に並べるためには、さらに製本作業をしなければいけない。前半こそほとんどコンピューターによる工程だが、後半はまだほとんどを手作業でやっているのだ。このフィルムを媒介した技法をとるかぎり、フィルムを作るのに手間がかかり、金もかかるから、大量生産をしないと採算が合わない。CTPだともう少し単純だが、刷版を作ることに変わりはない。
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