観光客の気をひこう

2011.07.13

観光客の気をひこうと、壁や柱のかけらを散乱させておくという手はよくあるそうだが、ここでは立入禁止の区域も少なく、かつての栄華の地を、自由気ままに歩きまわれるのは嬉しい。谷にはあわせて二〇をこえる神殿が残されているが最も保存状態がよいのがコンコルド神殿である。四段の階段でやや高くなっている、三九メートルと一七メートルの長方形の台座の縁には、高さ七メートルの三〇本の柱が並び、神殿のいかめしい雰囲気を作り出している。柱の表面には大理石を砕いたものをまぶしてあったが、長い年月の間の太陽の光で色は黄褐色に変わっていた。なお、コンコルドという名は現場で発見されたローマ人の碑文から発見されているが、歴史家によれば、この神殿の保存状態がよいのは、六世紀のころ教会として大事に使われていたためということである。コンコルド神殿の西側にあるエルコーレ神殿は、神殿のなかでは一番古く紀元前五〇〇年のころのものとされている。またの名をヘラクレス神殿と呼ばれ、古代にはギリシヤ神殿の英雄、ヘラクレスの像がまつられてあったとされている。