私もココロス研究会に仲間入りすることとなった。ただし、このプロジェクトはあくまでメーカーと私との共同研究という形にしてもらった。企業体と研究者としての私との間にはやはり目的意識に違いがある。それを双方が尊重し合い、研究結果をシェアするという仕組みが大切である。だから、原則、研究活動にともなう私への謝礼は発生しない。こうした対等な関係で企業と研究者とが向き合うことで、結果としてほどよい緊張感が生まれ、それぞれのメンバーが遠慮せず個性や意見を出し合う自由な雰囲気ができる。ただ、ココロスの一員になったといっても、私自身は下着に関してまったくの素人であった。男性としてどうしても偏った見方をしてしまうし、下着を扱うことへの逡巡や戸惑いも大きかった。だから、下着作りのプロとして、また、下着のユーザーとして下着に接してきた他のメンバーたちの存在は心強いものであった。主に、メーカーの広報部門から戦後の女性下着史に詳しく出版経験もある男性、人材派遣のキャリアサービスから調査データの整理やファッション情報収集を受け持つ女性、またマーケティングの観点からコンサルテーションに協力している女性ディレクターが参加した。そして2008年春からは、私の研究仲間である鈴木公啓氏にも加わってもらった。彼は被服やダイエットなどの装飾行動や女性のボディイメージなどの心理学的研究を積み重ねており、この領域で学位も取得している。2010年4月から東京未来大学の助教を務め、忙しい仕事の傍ら、本研究のデータ解析や論文作成に尽力してもらっている。そして私、菅原健介は聖心女子大学文学部教授として、社会心理学、性格心理学を研究している。以上のようなチームで研究が始まった。
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