アマゾンは創業以来売り上げ、利益ともに拡大しつづけていながらシステムの拡充や広告宣伝費などの先行投資が大きいために五期連続で赤字であるが、それでもウェブビジネス(インターネットのウェブサイトを仮想店舗とするビジネス)での成功要件といわれるいくつかの条件を備えているので、もう少し詳しく紹介しておこう。一つは「リコメンデーション」(推薦)の機能だ。アマゾンでは、書籍を購入したユーザーの情報を蓄積し、ユーザーがどういったジャンルの本に興味があるか、ハードカバーとペーパーバックならばどちらを選ぶ傾向にあるか、割引率の高低に敏感かどうか、どういった優先順位で購入意思を決定しているか、何冊も購入する場合には他にどういう傾向の本を選んでいるかといった点を時系列的に追跡している。それによってユーザーを細かくセグメント(分類)し、ある人が最新刊を購入したら同じセグメントに属する人に「今度こういう新刊が出ました」とメールを送るのである。プッシューセールスだが、ユーザーにとっては自分の欲しい情報が来るわけだから便利である。以上をユーザーの側から見ると、使えば使うほど自分にとって使い勝手がよくなってくるということになる。つまり「パーソナリゼーション」である。最初のうちは的外れな情報が送られてきて迷惑に感じるが、使っているうちにアマゾンのほうが傾向を学習して、ピンポイントで自分の欲しい情報を得ることができる。そうなると、なかなか別のウェブサイトに移ることはできなくなる。