オートクチュールのお客様は、世界中のリッチな人々。古くからの王室の一家をはじめ、今でも貴族の称号を持つヨーロッパの一族が多く顧客に名を連ねています。オイル王国の中東を始めとするアラブ諸国の大富豪も、いい顧客とか。先日も、結婚衣装を3000万円で納めたそうですから、かなりのものではありませんか。結婚式は、もちろん衣装だけでは終わりませんから、いったいいくらかかったのかしら。オートクチュールとは、発表されたデザインに対して、一人のお客様が独占することもできる仕組み。顧客一人のための特別製作なのです。サイズを揃えておくのではなく、注文を受けるとその人の採寸をし、何度も仮縫いをし、バランスをとった服を作り上げます。各メソンでは、特別顧客のボディを作って保管していますから、できるまでの形を作ることができます。忙しかったり、海外で生活をする人には便利な仕組みですが、そのためにも、体型を常に整えておかなくてはいけないのだとか。
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お洒落とはなかなか大変なのですよ。オートクチュールのオーダーを受けるとき、各メソンのベテランといわれる顧客係は、ご婦人がオーダーに見えた時、即座に「そのご婦人が、本妻かミストレスか」を見抜けなければ一人前といえないそうです(前もって連絡や推せんがあるのが通常ですが)。つまり、本妻が仮縫いに来ているときに、ミストレスとかちあわない気配りということ。そして、けっして同じデザイン選びをしないよう注意しなくてはなりません。ヨーロッパの歴史は、男女の仲が複雑かつ微妙で、現在も延々と引き継がれているのですから間違いを起こしたら大変なのです。まことしやかに伝えられている、有名な話をしましょう。早朝、シャンゼリゼーの噴水の近くで2台の車が衝突事故を起こしたそうな。車から降りた2人の男性が、相手に対してまくしたてようとしたところ、朝帰りの大統領と大臣だったとか。男女関係はユーモアをもって臨むべしです。