クルマから発生する膨大な廃プラスチックをすべて受け入れるほどの施設が日本にあるのだろうか。おそらく、自動車解体業者が集めたプラスチック類はかなりの割合で市場からあぶれることだろう。そして結局は最終処分場に持ち込まれ、埋め立てられるに違いない。そうしなければ解体業者の敷地から分別されたプラスチックがあふれ出す事態となるだろう。問題はまだある。クルマから取り出されるシートの扱いだ。これは現在、ほとんどボディに取り付けられたままでシュレッダー業者に引き渡されている。では、これも解体業者が分別することになったらどうなるか。完全リサイクルともなると、シートをさらにプラスチック、布地または皮、スポンジ、金属と分けなければならない。そのための人件費は莫大な金額になるだろう。さらにガラスとドアなどについているスポンジやゴム、そしてクルマの内装として張り付けられている布地や木材の処理も問題となる。これらはすべてリサイクルの対象となりうる。それをすべて解体業者の手に委ねるとなると、五万円くらいのはしたカネではとうてい解決しないのだ。